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蜂蜜から見たソロン
人類は当初、巣房(ミツバチの巣を構成する六角形の小部屋)ごと食べる形で蜂蜜を摂取した。古代エジプトで蜂蜜は、イナゴマメ(キャロブ)と並び主要な甘味料であった。蜂蜜が人々の食生活に広く浸透し始めたのは古代ギリシャ時代のことで、ギリシア神話には巣に入った蜂蜜が供される場面が登場する。古代ギリシャでは多くの文芸作品、さらにはプラトン、アリストテレスといった哲学者の著作にも蜂蜜が登場する。アリストテレスの記述をもとにした試算では、当時のアッティカの自由市民1人あたりの消費量は20世紀後半の日本の国民1人あたりの消費量をはるかに上回っている。それに応じて養蜂も盛んに行われ、プルタルコスの『対比列伝』には、政治家ソロンが活躍した時代に養蜂場間の距離規制(300プース以上離さなくてはならない)に関する法律が制定されたという話題が登場する。(蜂蜜 フレッシュアイペディアより)
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蜂蜜から見た蜂群崩壊症候群
世界全体での蜂蜜の生産量は年間で推定約120万tである。1990年代の主要な国および地域別の生産量は中国が20万t強、旧ソ連地域が20万t弱、アメリカが10万t前後で、これら3地域の生産量が全体の半分近くを占めていた。しかしながら、ソ連崩壊後の内戦などの影響によってタジキスタンでは蜂蜜生産量が1/12にまで激減するなど、旧ソ連地域での蜂蜜生産量は減少している。2009年には蜂蜜生産量上位20か国に見られる旧ソ連地域の国はウクライナとロシアのみであり、その生産量は合わせて13万tほどである。また、アメリカでは2006年以降起こっている蜂群崩壊症候群によってミツバチが大量に死滅して養蜂業が多大な影響を受けており、2009年の生産量は世界5位の6万5000tにまで落ち込んでいる。一方で中国はソ連崩壊以降生産量世界1位でありつづけ、2009年には1990年のおよそ2倍となる40万7000tを生産している。アルゼンチンは1990年頃までは4万t程度の生産量であったが、パンパ周辺地域などへ養蜂地域が拡大されたことなどにより生産量が増加し、2005年以降は世界2位の生産量となっている。(蜂蜜 フレッシュアイペディアより)
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蜂蜜から見た華南
蜂蜜の風味や色は、蜜源となった花の種類によって異なる。同じ種類の花から作られた蜂蜜でも地域によって(主に採蜜法の違いから)品質が異なる。国や地域によって好みが分かれる蜂蜜もあり、たとえばソバ蜜は日本で敬遠される一方、フランスではジンジャーブレッドの原料として重宝されている。同様にセイヨウボダイジュ(シナノキ科)の蜂蜜はドイツやロシアでは最高級品とされるが、日本ではレンゲやアカシア、トチノキ、さらにはドイツではあまりに評価が低くミツバチの餌にされているナタネの蜂蜜よりも格が落ちる。養蜂家の渡辺孝は、香りの強い蜂蜜が日本では敬遠され、ヨーロッパでは好まれる傾向があると指摘する。中国では荊条(ニンジンボク、華北産が有名)、棗(ナツメ、華北)、槐樹(エンジュ、東北)、椴樹(ダンジュ、長白山)、荔枝(レイシ、華南)の花から採れた蜂蜜を「五大名蜜」と呼び、広く食されている。(蜂蜜 フレッシュアイペディアより)