-
ひぐらしのなく頃にから見た東浩紀
哲学者・批評家の東浩紀は本作品の物語の構造が美少女ノベルゲームのそれと類似していることを指摘している。第1話の結末において、多くの謎を抱えたまま主人公は死にいたる。しかし、第2話では事件発生前から物語がはじまる。主人公も生きて登場し、第1話と異なる展開を見せる。同じ場所、同じ時間での異なる物語は第4話を除いて繰り返され、(第4話では主人公が違う。)あたかもゲームのプレイヤーが「バッドエンドを回避すべく、以前とは異なる選択肢を選んで再挑戦した」かのように物語が進行していく。読者はささいな違いにより異なる結末を迎える物語を見比べることで、推理の手掛かりを得ていく。事件を繰り返すごとに、登場人物の繰り返しへの自覚や、物語への自己言及ともとれる発言があらわになり、物語はメタフィクション化していく。第6話で事件の被害者の一人、古手梨花が自らの死を防ぐために時間を巻き戻していることが示される。第7話ではオヤシロさまが羽入という名の新たな登場人物として読者に紹介される。事件に介入できず、観察者の立場でいる羽入は読者の暗喩ともとれる。最終話では羽入がゲームのプレイヤーのように物語に介入し、幸福な結末へと導いていく。(ひぐらしのなく頃に フレッシュアイペディアより)
スポンサーサイト