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アジアから見た道教
世界で信者数の多い宗教であるキリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教は、すべてアジアをその起源としている。このうち、仏教とヒンドゥー教はインドを、キリスト教とイスラム教は西アジアをその起源とする。このほかにも、西アジアのユダヤ教、南アジアのシク教、東アジアの儒教や道教、神道など、さまざまな宗教が存在している。現代においては、イスラム教は起源である西アジアのほとんどの地域に広まっているほか、中央アジアもほぼイスラム教圏となっている。このほかにも、南アジアのパキスタンやバングラデシュ、モルディブ、東南アジアのインドネシアやマレーシア、ブルネイなどはイスラム教徒が大部分を占める国家である。また、中国の新疆ウイグル族自治区や寧夏回族自治区もイスラム教徒が多数派である。キリスト教は起源である西アジア地域ではわずかな信徒が存在しているにすぎず、アジアではキリスト教徒が多数派を占めている国家はフィリピンのみである。ただし、北アジアはキリスト教徒であるロシア人が東進し入植した関係で、ロシア正教会の信徒が多数を占める。ヒンドゥー教徒が多数派を占める国家はインドとネパールのみであり、信者が多数派を占める地域もこれにスリランカの北部(タミル人居住地域)を加えるのみであるが、インドの人口の大多数はヒンドゥー教徒であり、信徒数はほぼインド一国のみで世界中の仏教徒よりも多い。仏教は発祥地のインドではすたれ、わずかにブータンで多数派を占めるのみであるが、仏教は東方に伝播したため、東南アジアや東アジアに大きな教圏を持つようになった。ただし東アジアと東南アジアの仏教の宗派は違い、東南アジアのミャンマーやタイ、カンボジア、ラオス、スリランカ南部(シンハラ人地域)においては上座部仏教が信仰されている。これに対し、東アジアやベトナムにおいては大乗仏教が信仰されている。ただし、東アジアの大乗仏教は唯一の信仰というわけではなく、中国では儒教や道教、日本では神道が大きな勢力を持っており、事実上これら宗教との混在地域となっている。(アジア フレッシュアイペディアより)