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トラニラストから見たコラーゲン
トラニラスト(Tranilast)は、内服または点眼でアレルギー性疾患の治療に用いられるほか、内服薬はケロイドや肥厚性瘢痕の治療にも用いられる。肥満細胞や炎症細胞からの様々な化学伝達物質の遊離を抑制してI型アレルギー反応を抑えるほか、TGF-β1の遊離抑制作用等で線維芽細胞のコラーゲン合成を抑制し、ケロイド形成を抑えることができる。ナンテン配糖体(ナンジノシド)の研究を基に開発された。日本では1982年6月に気管支喘息、1985年8月にアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、1993年10月にケロイド、肥厚性瘢痕、1995年9月にアレルギー性結膜炎の承認を取得した。商品名リザベン。キッセイ薬品工業が開発した。(トラニラスト フレッシュアイペディアより)
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糖化反応から見たコラーゲン
糖化された物質は体内からゆっくりと排出され、糖化生成物の半減期はなんと細胞の平均寿命の約2倍にもなる。赤血球細胞は体内で最も短い寿命で約120日であり、糖化生成物の半減期は240日である。この事実によって、血中の糖化されたヘモグロビン濃度を観察することにより糖尿病患者の血糖管理状態が把握できる。逆に、神経細胞など寿命の長い細胞、コラーゲンのように寿命の長いタンパク質やDNAではダメージが長時間蓄積される。また腎臓の糸球体、目の網膜細胞、ランゲルハンス島のβ細胞など代謝の活発な細胞でも、ダメージが蓄積しやすい。さらに血管の上皮細胞は糖化によって直接傷つけられ、冠動脈の入り口など血流の多い場所にアテローム性動脈硬化症などを引き起こすこともある。(糖化反応 フレッシュアイペディアより)
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血液神経関門から見たコラーゲン
末梢神経には軸索、2つの支持細胞、3つの結合組織性の被膜、および血管が含まれる。支持細胞はシュワン細胞と神経節の衛星細胞がある。結合組織性の被膜には神経上膜(epinerium)、神経周膜(perineurium)や神経内膜(endoneurium)がある。末梢神経の神経内膜内微小血管は無窓型血管内皮で内腔は閉鎖帯で互いに連結している。神経上膜は1型コラーゲンと線維芽細胞からなり神経全体を包む。神経周膜は軸索線維をいくつかの繊維束に束ねる膜である。数層の同心円状に配列する線維芽細胞の層が神経周膜を形成する。この線維芽細胞は他所ではみられない2つの特徴がある。それは基底板が線維芽細胞の外層に存在すること、線維芽細胞同士が閉鎖帯で結合している点である。神経内膜は1本、1本の軸索とそれに伴うシュワン細胞を囲んでおり3型コラーゲンと少量の線維芽細胞からなる。(血液神経関門 フレッシュアイペディアより)
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抗老化医学から見たコラーゲン
1971年から1980年のデータで糖尿病患者と日本人一般の平均寿命を比べると男性で約10年、女性では約15年の寿命の短縮が認められた。このメカニズムとして高血糖が生体のタンパク質を非酵素的に糖化反応を発生させ、タンパク質本来の機能を損うことによって障害が発生する。この糖化による影響は、コラーゲンや水晶体蛋白クリスタリンなど寿命の長いタンパク質ほど大きな影響を受ける。例えば白内障は老化によって引き起こされるが、血糖が高い状況ではこの老化現象がより高度に進行することになる。同様のメカニズムにより動脈硬化も進行する。また、糖化反応により生じたフリーラジカル等により酸化ストレスも増大させる。(抗老化医学 フレッシュアイペディアより)