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ヤクスト川から見たリンドウ
ヤクスト渓谷中流域には夏の乾燥に適応した典型的な植物相が見られる。チャボアザミ(Carlina acaulis)、リンドウの仲間(Gentiana cruciata)、ハクサンチドリの仲間(Orchis mascula)、セイヨウオキナグサ(Pulsatilla vulgaris)がある。森の中ではママコナの仲間(Melampyrum arvense)もそれほど珍しくない。森の中や周辺でもっとよく見られるのは、アルム(Arum)、キバナイチゲ(Anemone ranunculoides)、ヤブイチゲ(Anemone nemorosa)、ヘレボルスの仲間(Helleborus foetidus)であり、ここはこれら植物の主な分布域の東端にあたる。ヘレボルスの仲間Helleborus orientalisのかなり大きなコロニーは森にとって外来種が定着した物。Leucojum vernumもおそらく在来種ではない。特徴的なのはトモシリソウの仲間(Cochlearia pyrenaica)である。これは、バーデン=ヴュルテンベルク州北部ではヤクスト渓谷にしかない植物である。Orchis pallensはおそらく20世紀の初めに、アツモリソウ(Cypripedium calceolus)は1980年代の終わりにヤクスト渓谷中流域では絶滅してしまった。Orchis pallensは、近くの上流域に生息している。ヤクスト川の流れが緩やかなところでは、コウホネの仲間(Nuphar lutea)が生息している。流れが平らな箇所では、川いっぱいにカヤツリグサの仲間(Schoenoplectus lacustris)が生育している。(ヤクスト川 フレッシュアイペディアより)