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日本酒から見た室町時代
日本酒において醪を仕込むとき、三回に分けて蒸米と麹を加える。この仕込み方法は段仕込みもしくは三段仕込みと呼ばれ、室町時代の記録『御酒之日記』にもすでに記載がある。もし蒸米と麹とを全量、一度に混合して発酵を開始させると、酒母の酸度や酵母密度が大きく下がり、雑菌や野生酵母の繁殖で醪造りは失敗しやすくなる。段仕込みは、発酵環境を安定させ雑菌の繁殖を防ぎつつ酵母を増殖させ、その状態を保ちつつ酵母のアルコール発酵の材料である糖を米麹や蒸米の状態で最終投入量まで投入できる仕込み方法である。これにより酵母が活性を失うことなく発酵を進められるため、醪造りの最後にはアルコール度数20度を超えるアルコールが生成される。これは醸造酒としては稀に見る高いアルコール度数であり、日本酒ならではの特異な方法で、世界に誇れる技術的遺産といえる。(日本酒 フレッシュアイペディアより)
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