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高分子医薬品から見た腎臓
代謝・排泄に関してクリアランスとしてまとめて述べる。低分子医薬品のクリアランスは主に代謝酵素による物質交換と薬物トランスポーターによって制御されるのに対し、高分子医薬品はこれらの基質とはならず全く異なった機構により体内より消失する。高分子医薬品の主なクリアランス機構としては、血漿中や組織表面に存在する分解酵素による代謝、エンドサイトーシスによる細胞内への取り込みとそれに続くリソソームへのソーティング・分解酵素による代謝、さらに腎臓による排泄が関与する。さらに抗体医薬品についてはnepnatal Fc受容体(FcRn)との細胞内結合を介した分解抑制・リサイクリング促進効果なども体内動態を考える上で考慮すべき要因となっている。(高分子医薬品 フレッシュアイペディアより)
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トランスフォーミング増殖因子から見た腎臓
ベータ型変異増殖因子TGF-βは腎臓、骨髄、血小板などほぼすべての細胞で産生され、5種類のサブタイプ(β1?β5)が存在する。骨基質中にはそのうちβ1?β3がいずれも不活性型として蓄積され、骨吸収の際に破骨細胞が放出する酸によって活性化される。(トランスフォーミング増殖因子 フレッシュアイペディアより)
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八丈小島のマレー糸状虫症から見た腎臓
ヒトに発症するリンパ系フィラリア症の経過は、無症候期、急性期、慢性期があり、感染初期の罹患者は自覚症状がなく感染していることに気付かないことが多い(無症候期)。ただし、無症状であってもすでに罹患者はリンパ系組織各所や腎臓に障害を起こしており、人体の免疫機能への影響が始まっている。また、体内にミクロフィラリアがいても無症状のまま一生自覚症状が出ない場合もある。無症候期から急性期に進行する場合、感染から1年程度経過した頃、突然何の前触れもなく悪寒や高熱などの熱発作と戦慄を起こす。この最初の熱発作は数日間で治まるが、その後も悪寒や発熱を伴う熱発作を長期間にわたり何度も繰り返すことが多い。このようにフィラリア症と一口に言っても、その症状は一様ではない。適切な治療を行わないまま長期間放置すると、体内のフィラリア虫が成長・増殖して慢性期に入る。こうなってしまうと成虫になったフィラリア虫がリンパ管やリンパ節に居座り、リンパ液の流れを塞いでしまう。このようなリンパ液の閉塞による循環障害が引き金となり、リンパ系フィラリア症特有のさまざまな病状が現れる。(八丈小島のマレー糸状虫症 フレッシュアイペディアより)