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遺伝子組み換え作物から見た健康食品
アントシアニンはフラボノイド系のポリフェノールであり、植物の重要な色素である。アントシアニンには抗酸化活性とともに様々な生理活性があり、健康食品としても注目されている。このアントシアニンをトマトで大量に蓄積させることに成功した。キンギョソウ由来のアントシアニンの合成を誘導する2種類の転写因子の遺伝子Delila (Del)(ACCESSION M84913塩基配列)とRosea1 (Ros1)(ACCESSION DQ275529塩基配列)をトマトに導入し、過剰発現させたところ、デルフィニジン系のアントシアニンを大量に蓄積した紫色のトマトの果実ができた。このアントシアニンが大量に蓄積して果実が紫色になる形質は、トマトの他の品種と交配させると、交雑品種にも遺伝することが示されている。(遺伝子組み換え作物 フレッシュアイペディアより)
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遺伝子組み換え作物から見たメロン
果実等の中には収穫適期が非常に短いものがある。特に、生食用のトマトなどでは色付き始めたらすぐに収穫して流通に乗せる必要性が高い。そうしないと店頭に並ぶ頃には過熟状態になったり、ケチャップやピューレなどへの工業的加工過程に入る前に傷口から腐敗したりして商品価値が低下することが多くなるためである。そこで、熟しても果皮が柔らかくならない様に細胞間を充填しているペクチン(pectin)の分解が抑制された遺伝子組換えトマトが開発された。また、ペクチンの分解は果実が熟するときに誘導されるため、ペクチンの分解抑制ではなく熟期を遅らせることで柔らかくならないようにされたトマトやメロンも開発された。それらの手法は三種類知られている。(遺伝子組み換え作物 フレッシュアイペディアより)
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遺伝子組み換え作物から見た蜂蜜
遺伝子組換えに関する表示は、遺伝子組換え作物に由来するDNAやそのDNAに由来するタンパク質の最終製品中での有無にかかわらず、遺伝子組換え作物から生成されたすべての食品に義務付けられている1。つまり、油のような加工食品や食品添加物、その他に飼料などについても表示が義務付けられている2。ただし、組換え飼料で飼育された家畜由来の肉製品や卵、蜂蜜などの例外規定も存在する3。表示方法としては、「この製品は、遺伝子組換え体を含む("genetically modified...")」または「…遺伝子組換え(作物名)から製造("produced from genetically modified...")」に相当することを記すこととなった。ただし、「遺伝子組換え作物は含まれていない」、「遺伝子組換え不使用」などに相当する表示("Without Genetic Engineering"、"without GMOs")が見受けられるが、EUの制度として認められているものではなく、このような表記をEUのいくつかの国ではアメリカと同様に国内的に規制している4。なお、表示規制は、最終消費者向けのものだけでなく外食事業者向けのものについても適用される。しかし、外食事業者が調理・加工して顧客に出す場合には義務表示規制が適用されず、そのまま出す場合にだけ適用される。たとえば遺伝子組換えパパイヤをそのまま出す場合は、メニュー等に「遺伝子組換えパパイヤ」と表示しなければならないが、それを使ってフルーツケーキを作って出す場合は表示が不要となる。また、承認されている遺伝子組換え作物については、意図せざる混入であれば0.9%までは「遺伝子組換え作物を含む」旨を表示しなくても良い。また、EUでは承認されていない遺伝子組換え作物であっても、EUの科学的リスク評価で肯定的な決定が出されている作物であれば、意図的でなければ0.5%までの混入を認めている5。(遺伝子組み換え作物 フレッシュアイペディアより)
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遺伝子組み換え作物から見た桿菌
2,4-Dは植物ホルモン・オーキシン様の生理活性を示し、高濃度では植物を枯死させる作用を持つ。2,4-Dを2,4-ジクロロフェノールへ変換する酵素2,4-D モノオキシゲナーゼ(タンパク質名: TfdA)を利用して2,4-D耐性のタバコやワタなどの作物が作られた(薬剤の分解・修飾による無毒化)。TfdAはグラム陰性細菌Alcaligenes eutrophusのプラスミドpJP5上の遺伝子tfdA由来のものである。なお、グラム陰性桿菌Sphingobium herbicidovoransの同様の酵素の遺伝子aad-1が改変されて導入された2,4-D耐性トウモロコシは、ダウ・ケミカルにより開発されている。複数の系統が開発されており、「アリルオキシアルカノエート系除草剤耐性トウモロコシ (改変aad-1, Zea mays subsp. mays (L.)Iltis.) (DAS40278, OECD UI:DAS-4Ø278-9) 申請書等の概要」などで公表されている。また、グラム陰性桿菌デルフチア・アシドボランス由来の同様の酵素遺伝子aad-12の改変型によっても2,4-D耐性ダイズやワタが開発されている。(遺伝子組み換え作物 フレッシュアイペディアより)
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遺伝子組み換え作物から見た貧血
上記にあるゴールデンライスと同様に、多くの発展途上国において深刻な問題になっている鉄欠乏とそれによる貧血の解決策として鉄分豊富なコメが開発されている。大きく分けて二つの方法がある。一つは、鉄を貯蔵するダイズ由来のタンパク質であるフェリチン(ferritin)の分子種H1やH2をイネの種子中に多量に蓄積させることで種子中の鉄貯蔵能力を高め、鉄含有量を増加させる方法であり、こちらは"フェリチン米"とも呼ばれている。もう一つは、植物にとって鉄イオン吸収に関わるムギネ酸合成の前駆体であるとともに鉄イオンの体内輸送に係るニコチアナミンを合成する酵素の遺伝子の発現量を高める方法である。オオムギ由来の高発現のニコチアナミン合成酵素遺伝子をイネに導入して植物体中のニコチアナミンを増やすことで鉄の種子への輸送能力を高めている。こちらの方法では白米中の鉄濃度が3倍に増加していた。ニコチアナミン合成酵素遺伝子は、アルカリ性土壌でも鉄イオンを吸収して生育できるイネやトウモロコシの開発にも利用されている。(遺伝子組み換え作物 フレッシュアイペディアより)