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阿部和重から見た蓮實重彦
1994年、『アメリカの夜』(原題「生ける屍の夜」)で第34回群像新人文学賞小説部門を受賞しデビュー。同一人物である語り手と主人公が分裂し、小説内で絶えず自己言及をしていくという設定の作品であり、作品冒頭では柄谷行人の評論『探究I』のパロディーを行った。同年の第111回芥川賞候補、翌年の第8回三島由紀夫賞候補ともなった。1995年、「ABC戦争」と「公爵夫人の午後のパーティ」を発表する。これら初期の作品は蓮實重彦などの文芸評論の影響が強く、記号や数字、文字といった形式そのものへの意識を前面に押し出し、長大な文体を志向しており、対談でもしばしばそのことに言及している。1996年、〈カイエ・デュ・シネマ・ジャポン〉の編集委員となってからは、映画評論にも携わるようになる。(阿部和重 フレッシュアイペディアより)
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