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雨から見た黄砂
通常でも雨水は大気中の二酸化炭素を吸収するため、pH(水素イオン指数)は6前後とやや酸性を示す。雨が硫黄酸化物や窒素酸化物などを大気中から取り込み、強い酸性を示すものもある。一方、土壌や燃焼に由来するアンモニウムやカルシウム成分を取り込み、pHが中和されることもある。中国東部では、石炭資源が豊富なためその利用により硫黄酸化物が大量に排出されると同時に土壌から黄砂などに由来するアンモニウムやカルシウムが排出され、汚染のポテンシャル自体が高い割に酸性雨の被害は顕著ではない。大気中の二酸化炭素濃度を考慮した平衡状態がpH5.6であることから、この値以下のものを酸性雨と呼ぶが、pH5.0以下とする定義もある。(雨 フレッシュアイペディアより)
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ニトロ多環芳香族炭化水素から見た黄砂
化石燃料等の燃焼により、PAHとともに生じる一次生成と、大気中に排出されたPAHが太陽光の関与を受け、窒素酸化物と反応してニトロ化して生じる二次生成の二通りの発生経路がある。このうち2-ニトロピレンと2-ニトロフルオランテンは、大気中の化学反応により生成することが確認されている。粘土鉱物がニトロ化を促進する研究結果があり、黄砂によりNPAHが生成しながら中国から日本へ飛来することが懸念されている。ニトロ化は燃焼温度が高いほど進行しやすく、1,100 ℃ 程度の石炭ストーブより、2,700 ℃ 程度のディーゼルエンジンの方が、PAHに対するNPAHの生成比率が高くなる。大気中のNPAH濃度は、札幌市0.58 pmol/m3、東京都0.30、北九州市0.05となっている。これに対し、瀋陽市0.50、ソウル特別市0.58、ウラジオストク0.33であり、石炭暖房に依存する中国やロシアではPAHに対するNPAHの比率が高くなっている。NPAHはPAHと異なり蛍光性を持たないため、ニトロ基をアミノ基に還元した上で分析する。(ニトロ多環芳香族炭化水素 フレッシュアイペディアより)