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黄砂から見た酸性霧
また近年、地上では視程も低下しないため黄砂として観測されない時に、自由大気(自由対流圏)と呼ばれる高層で薄い砂塵が観測されることが分かってきた。これは「バックグラウンド黄砂」と呼ばれている。普段地上でほとんど黄砂が観測されない夏や秋にも発生するほか、高山では酸性霧の中和に関与していることが解明されてきている。バックグラウンド黄砂の特徴として、発生地付近で砂塵嵐の発生が無く、砂塵を巻き上げて運ぶ低気圧さえ無い状態にも拘らず、発生することが挙げられる。また、バックグラウンド黄砂の成分の特徴として、通常ではCa(カルシウム)が主にCaSO(硫酸カルシウム)の形で存在しているのに対して、バックグラウンド黄砂では主に CaCO(炭酸カルシウム)の形で存在していることが挙げられる。これは、バックグラウンド黄砂が、地上から排出される大気汚染物質に含まれているSO(硫酸イオン)とほとんど混ざっていないことを意味し、普通の黄砂とは異なる経路を通ってきていることを示している。(黄砂 フレッシュアイペディアより)
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黄砂から見た酸性雨
砂や砂に付着した物質によって、土壌や海洋へミネラルが供給され、植物や植物プランクトンの生育を促進する作用もあり、黄砂に土壌を肥やす効果があることも指摘されている。黄砂の成分であるリン、鉄、アルミニウムなどが、海洋のプランクトンや、ハワイの森林の生育に関わっているとの研究結果もある。また、黄砂に含まれる炭酸カルシウムには中和作用があり、黄砂の飛来と雨が重なると、雨を中性・アルカリ性に変える。そのため、酸性雨の被害軽減にも寄与している。地力を失いやすい太平洋の古い火山島に養分を与えるプロセスの1つであり、黄砂の流れから遠い東太平洋ほど森林は失われやすいとの指摘もある。(黄砂 フレッシュアイペディアより)